いい医者にはなりたくないけど、うまい医者にはなりたい-坂井信幸

今日の名言!!

今日紹介する名言は、坂井信幸先生です。

脳神経外科のエキスパート、睡眠時間3時間、104Kの巨漢先生

こういう方が日本の医療を支えているんですね。

「いい医者にはなりたくないけど、うまい医者にはなりたい」

「ありがとうを聞くためにやってんや。」

-104Kの巨漢医師の繊細な指先/坂井信幸

(神戸市医療センター中央市民病院、脳神経外科部長)

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神戸市立医療センター中央市民病院で勤務する、坂井信幸医師は体重104キロである。

普段は玉子焼きと阪神タイガースをこよなく愛する56歳だが、これまで、7000人の命を救ってきた。

脳卒中治療のエキスパートで、コイル塞栓術で日本屈指の腕である。

「ホンマに財布忘れた」

 と、撮影中もおっちょこちょいのところを見せ、本当に大丈夫かと思わせるが、仕事着に着替えると顔が一変する。大事なこと以外は考えない。

坂井医師が行う脳動脈瘤のコイル塞栓術とは、頬の血管からカテーテルを差し込み、それを脳の患部まで到達させて、カテーテルの先からコイルを押し出す方法だ。動脈瘤をコイルでいっぱいにして塞栓すれば、破裂の危険性が低くなる。

しかし、この手術は、1ミリの動きが生死に関わると言われるほど、難しいものだ。

万が一血管を損傷すれば、大出血が起きる。時間がかかれば、感染症のリスクが高まる。

 「やっぱり、怖いんですよね。人の人生を変えちゃう。ほんのちょっとで変えちゃう。患者さんの家族の人生も変えちゃうことになりますよね」

 と、坂井医師は言う。

 

「毎日動脈瘤をやっているけれどもわからない。百人いれば百通り。二つ同じものがない」

 

医師として最も辛かった日があった。

アメリカから、当時最先端だったコイル塞栓術を持ち帰り、自分の腕に手応えを感じ始めた35歳のとき。とある男性患者の手術を行った。

仕上げのコイルを押し込み、手術は完璧に上手く行ったと思った。

男性患者は笑顔で一時帰宅したが、その後、自ら命を立った。

家に帰った後、急に塞ぎ込み、飛び降り自殺をしたのだと言う。

男性は、革細工師だった。商売道具の指先がしびれているのを感じ、このままでは働けないと思い絶望したのだ。

最後の一押しが、神経を圧迫したのだ。

医師を辞めようと辞表を書き、上司に出した。

 

「これで辞められなくなったな」

 

と上司はひとこと言った。

 

坂井医師はそのとき覚悟を決めた。

 

以来二十年、治療の精度を極限まで上げるために、鍛錬を続けている。睡眠時間は毎日2、3時間。絶対に逃げないと心に決め、命の現場に立ち続けている。

 

仕事に貴賎はないと言われます。

けれども、僕はどうしても思ってしまうのです。

やはり、医師は特別なのではないかと。

その人がいるおかげで、数千人の命が救われるとすれば、その存在はもはや、奇跡と言っていい。

 

また、自分を顧みて、それほどの価値がある仕事をしているのかと自問したくなります。

 

極限の状況に追い込まれながらも、最高のパフォーマンスを発揮し続ける名医たち。

 

先生たちの日々の努力によって、我々は平穏な日常を過ごせるのだと、改めて今日の『プロフェッショナル』を観て思いました。

また、医師たちの「仕事」と自分の「仕事」を、同じ次元で語っていいのかと、やはり、自問してしまいます。

 胸を張って、そうだと言えるようになる日まで、僕も日々修練して行こうと思います。

 http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0408/


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